リカンベント自転車とは?特徴・価格・公道のルールと選び方

リカンベント自転車とは?特徴・価格・公道のルールと選び方

リカンベントは、背もたれ付きのシートに体を預けてペダルをこぐ自転車です。くつろいだ姿勢で走れることが魅力ですが、二輪か三輪か、シートが高いか低いかで乗り味や使い勝手は変わります。

初めて選ぶなら、見た目や速さだけで決めず、乗車姿勢と操作感を試乗で比べるのが出発点。この記事では屋外を走るリカンベント自転車を対象に、特徴から価格、公道のルール、購入前の確認点まで順番に説明します。

この記事のポイント
  • 背もたれに体を預ける乗車姿勢と二輪・三輪の違い
  • 快適性・空気抵抗の利点と坂道での特性
  • 公道・歩道のルールと国内専門店の価格例
  • 体格・保管寸法・試乗を踏まえた購入前の判断
目次

リカンベント自転車の特徴とメリット・デメリット

背もたれに体を預けて走る自転車

背もたれに体を預けて走る自転車

普通の自転車との分かりやすい違いは、座り方です。リカンベントは、椅子に座って背もたれに寄りかかるような姿勢で走ります。「寝そべって乗る自転車」と紹介されることもありますが、すべてが地面すれすれまで体を倒す形ではありません。

メーカーのHP Velotechnikは、一般的な自転車の前かがみの姿勢に対し、リカンベントの姿勢を現代の車のシートに座る感覚にたとえています。同社が重視しているのは、ただ柔らかく体を沈めることではなく、背中を支え、調整できるシート。背もたれのある形そのものが、自転車の設計の中心になっています。

検索するときは、同じ「リカンベントバイク」という名称の健康器具と区別しましょう。河合楽器製作所でも、この名称で家庭用・業務用のフィットネス機器を扱っています。道路を走る自転車を探しているなら、商品分類が健康器具なのか、自転車なのかを先に見ると、価格や用途を取り違えずに済みます。

二輪と三輪、シートとハンドルの位置で選ぶ

リカンベントには二輪のほか、三輪の「トライク」もあります。二輪でバランスを取ることが気になるなら、三輪は比較したい選択肢です。HP Velotechnikは、自社の三輪モデル「Scorpion」について、二輪のようなバランス保持が不要になると説明しています。

この説明はScorpionについてのもので、三輪全般の転倒しにくさを示すものではありません。

比べる点主な違い初めて選ぶときの見方
車輪の数二輪と三輪のトライクがある二輪のバランス感覚が気になるなら三輪も試す
シートの角度上体が起きた姿勢から、深く倒した姿勢まである座りやすさと操作感を実車で比べる
シートの高さ高めのモデルと、極端に低い競技志向のモデルがある日常の交通で使う初心者は低さだけを優先しない
ハンドルの位置シートより上にある方式と、下にある方式がある手の位置の好みを確かめ、調整できる範囲も見る

同社のFAQでは、初心者によっては上体が起きた姿勢と上側のハンドルの組み合わせになじみやすいとしています。一方で、慣れてからは深く倒した姿勢や下側のハンドルも試すことを勧めています。最初の一台だから必ずこの方式、と決めるより、姿勢の違う車体を比べるほうが自分の好みをつかめます。

魅力はくつろいだ姿勢と空気抵抗の小ささ

魅力はくつろいだ姿勢と空気抵抗の小ささ

背中をシートで支える姿勢は、リカンベントを選ぶ大きな理由です。HP Velotechnikは、一般的な自転車で背中の痛みなどを感じる人がリカンベントを選ぶケースを紹介しています。ただし、メーカーの快適性の説明を、誰でも痛みがなくなるという意味には受け取らないでください。

まず比べたいのは、自分が無理なく座れて、操作できる姿勢かどうかです。

速さにも特徴があります。同社は、多くのロードバイクの乗車姿勢より空気抵抗がやや小さく、条件と部品が同じなら少し速く走れると説明しています。さらに、速度を重視した低いモデルや、空気抵抗を減らす外装を持つモデルは、別の特性を持ちます。

リカンベント全体を一括りにして「ロードバイクより必ず速い」と考えるのは早計です。

快適性にも弱点はあります。背中を支える面がある一方、シートの通気性が問題になり、スポーティーに走ると汗をかきやすい場合があることを同社は挙げています。背もたれがあるから楽、と形だけで判断せず、座り心地と通気性を一緒に比べたいところです。

坂道は走れるが、こぎ方と操作に慣れが必要

リカンベントでも坂道は走れます。ただ、普通の自転車と同じ感覚で坂を攻略する乗り物ではありません。HP Velotechnikは、短く急な上りでは、サドルから腰を上げてペダルを踏める一般的な自転車のほうが優位になることがあると説明しています。

同社がリカンベントの上り方として挙げるのは、ギアを軽くし、効率よくペダルを回せる状態を保つこと。背もたれに支えられながら脚を使い、腕や上半身は力ませないという考え方です。また、この乗車姿勢での筋肉の使い方に適応するには、練習の時間が必要だとしています。

初回の試乗で感じた上りにくさだけで、最終的な向き不向きを決めつける必要はありません。

操作のなじみやすさも、シートの角度やハンドルで変わります。メーカーは試乗車でじっくり試すことや、シートとハンドルを調整できることを重視しています。僕なら、速さを最初の目標にするより、姿勢と操作に納得できる車体を探します。

三輪も含めて比較すれば、バランスへの不安と、こぐ姿勢への違和感を分けて考えられます。

リカンベント自転車の公道ルール・価格と購入前の選び方

公道と歩道を分けて考え、低い車体の視認性にも注意

人力で走るリカンベントは、寝た姿勢だから公道を走れないわけではありません。埼玉県警察は、自転車を、ペダルなどを用いて人の力で運転する二輪以上の車と説明しています。必要な装備や交通ルールに従うことが前提で、警察庁が示す基本は、車道の左側を通行することです。

ここでは人力車を対象とし、海外仕様の電動モデルまで同じ扱いとはしません。

特に大切なのは、「自転車」と「普通自転車」の違い。歩道を通行できるのは、長さ190cm以内、幅60cm以内などの基準を満たす普通自転車に限られます。

普通自転車の条件は寸法だけではなく、四輪以下であること、側車がないこと、幼児用を除く同乗用の乗車装置がないこと、操作しやすい位置にブレーキがあること、危険な鋭い突出部がないことなど。他の車両をけん引していないことも必要です。

したがって、三輪というだけで普通自転車から外れるわけではありません。一方、幅や長さが基準を超える車体では、「普通自転車歩道通行可」の歩道でも乗って通行できません。基準を満たした車体でも歩道は例外です。通行できる場合は車道寄りを徐行し、歩行者の通行を妨げるときは一時停止します。

車体の低さについては、HP Velotechnik自身も、極端に低い競技用モデルを、日常の交通を走る初心者向けとはしていません。同社は周囲から気づかれやすくする手段として明るいオレンジ色のフラッグも紹介しています。

さらに、夜間のライト点灯と反射材の併用、ヘルメットの着用は、警察庁の案内に沿って実践しましょう。

価格は国内専門店の仕様付き見積もりで比べる

価格は国内専門店の仕様付き見積もりで比べる

予算の参考として、国内専門店HC WORKSは2026年3月29日の記事で、次の4台を比較的求めやすいモデルとして紹介しています。いずれもその記事に掲載された税込価格で、2026年10月2日の閲覧時点で購入価格や在庫が保証されているわけではありません。

メーカー掲載モデル・仕様2026年3月29日掲載の税込価格
PERFORMERUnicorn 27speed248,600円
PERFORMERLacka 27speed275,000円
TridentTrikes折り畳みリカンベント T.W.I.G.342,700円
PERFORMERトライク JC70 18speed291,500円

この4例では、二輪の候補に加えて、折りたたみをうたうT.W.I.G.と三輪のJC70を比べられます。ただし、これは市場全体の最安値や平均価格ではありません。同じモデル名でも変速仕様などの条件をそろえて比較することが大切です。

JC70の掲載写真についてはカスタムペイントで、通常カラーもあるという注記も付いています。

価格が高めになる背景として、HP Velotechnikは少量を手作業で生産していることを挙げ、同程度の品質の一般的な自転車より高くなると説明しています。見積もりでは車体名だけでなく、変速仕様、シート、必要な装備までそろえて比べたいところです。

海外の価格表を使う場合も、例えば同社のユーロ価格は19%のVAT込み・送料別という条件なので、そのまま日本での支払総額にはできません。

国内販売店のNiKIRINも、詳しい価格は見積もりで案内し、車種の仕様が変更される場合があるとしています。注文前には、希望仕様での総額と納期を確認しましょう。価格の入口にはHC WORKSの掲載例を使い、最終判断は今の条件が書かれた見積もりで行うのが確実です。

体格と保管場所は実寸で確認する

リカンベントが必ず大きすぎるわけではなく、折りたためる二輪モデルもあります。具体例がHP Velotechnikの「Grasshopper fx」。メーカーは小柄な人にも適した自社の二輪モデルとして紹介し、仕様欄では身長の目安を約1.58〜2.00mとしています。

体格と保管場所を一緒に考えるときの候補です。

Grasshopper fxで比べる項目メーカー掲載値・条件
対応する身長の目安約1.58〜2.00m
全長160〜189cm
ハンドル幅56cm
シート高BodyLink:54cm/ErgoMesh:57cm
重量ペダル込み15.2kgから
折りたたみ寸法:下側ハンドルまたはエアロハンドル長さ96×幅50×高さ70cm
折りたたみ寸法:ティラーハンドル長さ96×幅60×高さ70cm

同じGrasshopper fxでも、シートの種類で座面の高さが変わり、ハンドルの方式で折りたたんだ幅が変わります。「折りたたみモデルなら入る」と判断する前に、選ぶ仕様の寸法を置き場所や車の荷室と照らし合わせましょう。

折りたたみ手順にはシートの取り外しも含まれるため、保管時の取り扱いまで実車で見ておくと具体的に判断できます。

また、重量の「15.2kgから」は、すべての装備仕様で同じ重さという意味ではありません。持ち運びも目的なら、装備を決めた車体で扱いやすさを確かめたいところです。ここに挙げた数値はGrasshopper fxのメーカー仕様であり、別のリカンベントや三輪モデルには当てはまりません。

購入前は専門店で試乗と納車方法を相談する

購入前は専門店で試乗と納車方法を相談する

国内で試乗を相談できる先の一つがNiKIRINです。同店は通常の店舗ではなく工房で、工房での試乗には事前連絡・予約が必要と案内しています。車種によっては用意できないものもあるため、二輪と三輪を比べたいのか、特定のモデルに乗りたいのかを予約時に伝えましょう。

NiKIRINは別途、都内の水元公園で行う定例試乗会を案内し、こちらは事前連絡不要としています。ただし、場所や時刻が変更される場合があるため、参加前に最新の開催案内を見る必要があります。工房の予約制と、定例試乗会の連絡不要は別の条件です。

関西では、LORO CYCLEWORKS KYOTOがリカンベントとトライクの取り扱いを案内しています。ここでは取り扱い先として紹介しており、希望車種の試乗車が常時あるという意味ではありません。訪問前に車種と相談内容を伝えておけば、遠方から出向く場合も予定を立てやすくなります。

通販を選ぶときは、届いた状態から何を組み立てる必要があるかも大事です。NiKIRINは調整・整備のうえで梱包して出荷しますが、ハンドルやシートなど一部は購入者の組み立てになるとしています。

一方、Grasshopper fxについては、メーカーが工場から顧客への直接販売を行わず、専門販売店を通す方針です。

買い方を一括りにせず、希望する車体の販売経路と納車方法を合わせて相談しましょう。

リカンベント自転車の特徴と選び方まとめ

この記事のまとめです。

  • リカンベントは、背もたれ付きのシートに体を預けてこぐ自転車
  • 二輪のバランス保持が気になる人は、メーカーがその点を説明するScorpionなどの三輪トライクも比較対象
  • 姿勢の快適さが魅力だが、痛みの解消を保証するものではなく、シートの通気性にも違い
  • 空気抵抗には利点があるものの、すべてのモデルがロードバイクより速いわけではない
  • 坂道も走れるが、軽いギアを使うこぎ方と姿勢への慣れが必要
  • 自転車は車道の左側通行が基本。歩道通行には普通自転車の寸法・構造などの条件がある
  • 初心者の日常利用では極端に低い競技用モデルを慎重に検討し、ライトや反射材なども準備
  • HC WORKSの2026年3月掲載価格は4例で248,600〜342,700円。現在の価格・仕様・納期は見積もりで判断
  • 体格の目安だけでなく、選ぶシート・ハンドルに応じた寸法と重量を確認
  • 試乗は予約条件を確かめ、通販では購入者が組み立てる部分も含めて納車方法を相談
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この記事を書いた人

はじめまして、チャリネコです。
子どもから大人まで、きっと誰もが一度は乗ったことのある自転車。
とても身近な乗り物だけど、実は知らないことっていっぱいありませんか?

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