自転車の平均速度はどれくらい?車種・レベル別の目安と速度アップ術

あなたの自転車、平均でどれくらいの速度が出ているか気になりませんか?

この記事では、ロードバイクやクロスバイク、ママチャリといった車種ごとの平均速度の目安を、初心者から上級者までレベル別に徹底解説します。

さらに、なぜ速度に差が出るのか、そして「グロス」と「ネット」という重要な速度の違いも明らかにします。

この記事を読めば、ご自身のレベルがわかるだけでなく、空気抵抗を減らすフォーム改善や効率的なペダリング技術など、明日から実践できる速度アップの具体的なテクニックまで身につきます。

この記事のポイント
  • 車種とレベル別の平均速度がひと目でわかる
  • ロードバイクとママチャリの速度差の理由がわかる
  • 意外と知らない「グロス」と「ネット」平均速度の違いを解説
  • 明日から実践できる平均速度を上げるための具体的な方法を紹介
目次

自転車の平均速度はどれくらい?車種・レベル別の目安を徹底解説

  • 【結論】あなたの自転車の平均速度は?一覧表で早わかり
  • ロードバイクの平均速度:初心者と上級者で大きな差
  • クロスバイク・マウンテンバイクの平均速度
  • ママチャリ・ミニベロ・電動アシスト自転車の平均速度
  • 意外と知らない「グロス」と「ネット」平均速度の違い

【結論】あなたの自転車の平均速度は?一覧表で早わかり

【結論】あなたの自転車の平均速度は?一覧表で早わかり

「結局、自転車の平均速度ってどれくらいなの?」多くのサイクリストが抱くこの疑問に、まずはお答えします。自転車の速度は、乗っている自転車の種類、走る人の体力や経験、そして走行する環境によって大きく変わります。

例えば、街中を走るママチャリと、本格的なトレーニングで走るロードバイクでは、平均速度に2倍以上の差がつくことも珍しくありません。そこで、一般的な公道を走ることを想定し、車種と乗り手のレベルに応じた平均速度の目安を一覧表にまとめました。ご自身の状況と照らし合わせて、まずはおおよその目安を掴んでみてください。この速度は信号待ちなどを含まない、純粋な走行中の速度(ネット平均速度)に近いイメージです。

自転車の種類街乗り・初心者経験者・サイクリング上級者・トレーニング
ロードバイク20~25 km/h25~35 km/h35 km/h~
クロスバイク18~22 km/h22~26 km/h26 km/h~
マウンテンバイク15~20 km/h20~25 km/h25 km/h~
ミニベロ18~23 km/h23~27 km/h27 km/h~
ママチャリ12~18 km/h
電動アシスト自転車15~20 km/h

この表を見ると、同じ車種でも乗り手のレベルによって速度が大きく異なることがわかります。特にロードバイクはその差が顕著です。次の項目からは、それぞれの車種について、なぜこの速度になるのかを詳しく掘り下げていきましょう。

ロードバイクの平均速度:初心者と上級者で大きな差

ロードバイクの平均速度:初心者と上級者で大きな差

ロードバイクは、数ある自転車の中でも最も高速走行に特化した車種です。そのため、平均速度は乗り手のレベルによって劇的に変化します。ロードバイクに乗り始めたばかりの初心者の場合、平均速度は時速20kmから25km程度が一つの目安となるでしょう。これは、まだ効率的なペダリングや空気抵抗を意識したフォームが身についていないためです。

経験を積み、週末のサイクリングを楽しむような中級者になると、平均速度は時速25kmから35km程度まで向上します。筋力や心肺機能が向上し、長距離でも安定したペースを維持できるようになるからです。さらに、本格的なトレーニングを積む上級者やレースに出場するようなサイクリストになると、平坦な道での平均速度は時速35kmを超えてきます。プロのロードレースでは、コースにもよりますが平均時速が40kmを超えることも珍しくありません。

なぜこれほど大きな差が生まれるのでしょうか。それは、ロードバイクが乗り手の能力をダイレクトに推進力へ変換する機材だからです。軽量なフレーム、抵抗の少ない細いタイヤ、そして深い前傾姿勢を取れるドロップハンドル。これらすべてが高速走行のために設計されています。乗り手がその性能を最大限に引き出すための技術と体力を身につけることで、平均速度は青天井に伸びていくのです。

クロスバイク・マウンテンバイクの平均速度

クロスバイク・マウンテンバイクの平均速度

クロスバイクは、ロードバイクの速さとマウンテンバイクの安定性を両立させた、いわば「万能選手」です。通勤や通学、週末のフィットネスまで幅広く活躍し、多くの方が乗られています。そんなクロスバイクの平均速度は、街乗りであれば時速18kmから25km程度が一般的です。ロードバイクほど深い前傾姿勢は取れませんが、ママチャリに比べると軽量でタイヤも細いため、軽快にスピードを出すことができます。

一方、マウンテンバイク(MTB)は、その名の通り山道などの未舗装路を走るために設計された自転車です。ゴツゴツとしたブロックタイヤや衝撃を吸収するサスペンションが特徴で、舗装路での走行性能はクロスバイクに一歩譲ります。そのため、街中を走る際の平均速度はクロスバイクと同等か、少し遅い時速18kmから25km程度になります。

特にマウンテンバイクのブロックタイヤは、舗装路では「ゴーッ」という走行音とともに大きな路面抵抗を生み出します。これが速度を伸ばしにくい主な要因です。もしマウンテンバイクで街乗りメインに速度を上げたい場合は、路面抵抗の少ないスリックタイヤに交換するだけで、走りが劇的に軽快になることもあります。どちらの車種も、ロードバイクほどの絶対的な速さはありませんが、日常の移動を快適かつスポーティーにしてくれる十分な走行性能を持っています。

ママチャリ・ミニベロ・電動アシスト自転車の平均速度

ママチャリ・ミニベロ・電動アシスト自転車の平均速度

日常生活で最も馴染み深いママチャリ(シティサイクル)の平均速度は、時速12kmから18km程度です。ゆったりとしたペースで走る場合が多く、車体の重さやアップライトな乗車姿勢が空気抵抗を大きくするため、速度はあまり伸びません。しかし、街中の移動手段としては十分な性能と言えるでしょう。

意外な実力を見せるのがミニベロ(小径車)です。タイヤが小さいから速くないのでは、と思われがちですが、それは誤解です。多くのミニベロはスポーツ走行を意識したギア比(ペダル一回転で進む距離)が設定されており、平均速度は時速20kmから25kmとクロスバイクに匹敵するモデルも少なくありません。小回りが利くため、信号の多い市街地ではロードバイクより速く移動できる場面もあります。

電動アシスト自転車については、「モーターが付いているから速い」というイメージがあるかもしれませんが、平均速度は時速15kmから20km程度と、ママチャリより少し速い程度です。日本の法律では、時速24kmを超えるとアシストがゼロになるよう定められています。そのため、最高速を伸ばすというよりは、漕ぎ出しや坂道での負担を劇的に軽減してくれるのが最大のメリットです。信号待ちからのスムーズな発進は、街中での快適性を大きく向上させてくれます。

意外と知らない「グロス」と「ネット」平均速度の違い

サイクリングの話をしていると、「平均速度30kmで走った」といった言葉を耳にすることがあります。しかし、その「平均速度」が何を指しているかによって、意味合いは大きく変わってきます。ここで重要になるのが、「ネット平均速度」と「グロス平均速度」という二つの考え方です。この違いを理解することは、自分の走りを客観的に評価し、現実的な目標を設定する上で非常に役立ちます。

「ネット平均速度」とは、信号待ちや休憩などの停止時間を除いた、純粋に走行している時間だけで計算した平均速度です。サイクルコンピューターやスマートフォンのアプリで表示される「平均速度」は、多くの場合このネット平均速度を指します。ペダルを漕いでいる間のパフォーマンスを測る指標と言えるでしょう。

一方、「グロス平均速度」とは、出発してから目的地に到着するまでの、停止時間を含めたすべての総時間で移動距離を割った平均速度です。つまり、「実際の移動速度」に最も近い数値です。例えば、走行中のネット平均速度が25km/hでも、信号の多い市街地を1時間走れば、グロス平均速度は15km/h程度まで落ち込むこともあります。自分の本当の移動ペースを知りたい場合は、このグロス平均速度を意識することが大切です。

自転車の平均速度を上げるための実践的テクニック

  • 最も効果的!空気抵抗を制する「フォーム改善」
  • 疲労を減らし速度を維持する「ペダリング技術」
  • 賢く走るための「ペース配分とトレーニングの基本」
  • 速度向上に繋がる「機材・装備のポイント」
  • 安全と法律:速度を出す前に知るべきこと

最も効果的!空気抵抗を制する「フォーム改善」

最も効果的!空気抵抗を制する「フォーム改善」

自転車の平均速度を上げたいと考えたとき、多くの人が高価なパーツ交換や筋力トレーニングを思い浮かべるかもしれません。しかし、最も効果的で、しかもコストをかけずに実践できるのが「フォームの改善」です。自転車で走るとき、私たちが戦っている最大の敵は「空気抵抗」です。時速20kmを超えたあたりから空気抵抗の影響は急激に大きくなり、速度を維持するために使うエネルギーの大部分が、この見えない壁を押し返すために消費されます。

そして、その空気抵抗の約8割は、自転車本体ではなく「乗り手自身の体」が生み出しています。つまり、乗車姿勢を少し変えるだけで、空気抵抗は劇的に減り、同じ力でペダルを漕いでも、より速く、そして楽に進むことができるようになるのです。

具体的な方法としては、まず上半身を少し前に倒し、ハンドルを低めに持つことを意識します。背中を丸めるのではなく、股関節から体を折り曲げるイメージです。ロードバイクであれば下ハンドル(ドロップ部分)を握る、クロスバイクやママチャリであれば肘を軽く曲げて少し前傾姿勢をとるだけでも効果があります。頭を下げ、肩の力を抜くことで、体が風を受ける面積を小さくすることができます。この「小さな工夫」が、長距離を走った際の疲労度や平均速度に大きな違いを生み出すのです。

疲労を減らし速度を維持する「ペダリング技術」

疲労を減らし速度を維持する「ペダリング技術」

がむしゃらにペダルを踏み込むだけでは、すぐに足が疲れてしまい、速度を維持することはできません。平均速度を効率的に上げるためには、疲労を最小限に抑えながら推進力を生み出し続ける「ペダリング技術」が不可欠です。その鍵となるのが、「ケイデンス」と「回すペダリング」という二つの要素です。

「ケイデンス」とは、1分間あたりのペダルの回転数のことです。重いギアを低いケイデンス(例えば毎分50~60回転)で踏み込む走り方は、太ももの大きな筋肉に頼るためパワーは出ますが、乳酸が溜まりやすく、すぐに疲労してしまいます。一方、少し軽めのギアを高いケイデンス(毎分80~90回転が目安)でクルクルと回す走り方は、心肺機能を使う割合が大きくなり、筋肉への負担が少ないため、長時間にわたって安定したペースを維持しやすくなります。

そして、そのケイデンスを安定させるのが「回すペダリング」です。ペダルを真下に「踏む」だけではなく、円を描くように360度、力をスムーズに伝える意識を持つことが重要です。特に、ペダルが一番下(6時)の位置から後ろに「引き上げる」意識を持つと、踏み込む足の邪魔をせず、より効率的に推進力を生み出せます。この技術を習得することで、無駄な力を使わなくなり、ライド後半での失速を防ぎ、結果として平均速度の向上に繋がるのです。

賢く走るための「ペース配分とトレーニングの基本」

賢く走るための「ペース配分とトレーニングの基本」

体力や技術があっても、ペース配分を間違えると平均速度は伸び悩みます。特に長距離を走る場合、いかにエネルギーを温存し、効率的に使うかという戦略的な視点が重要になります。サイクリングにおけるペース配分の基本は、「頑張りすぎないこと」です。特に走り始めは体も元気なため、ついオーバーペースになりがちですが、これは後半の失速に直結します。常に「少し物足りないかな」と感じるくらいの強度を維持することが、結果的に全体の平均速度を高めるコツです。

具体的な走り方としては、平坦な道では心拍数を一定に保ち、淡々と走り続けることを意識します。向かい風の区間では無理に速度を維持しようとせず、少しギアを軽くして体力の消耗を抑えましょう。そして、最も重要なのが坂道の走り方です。登り坂では決して無理をせず、ケイデンスを維持できるギアを選び、のんびりと登ります。ここで体力を使い切ってしまうと、その後の平坦区間や下り坂でペースを上げることができません。むしろ、下り坂こそ安全を確保した上で速度を稼ぐチャンスと捉え、効率的に平均速度を上げていきましょう。

また、日々のトレーニングに少し変化を加えることも効果的です。いつも同じペースで走るだけでなく、短い時間だけ全力で走り、その後ゆっくり走って回復する、といった「インターバルトレーニング」を取り入れると、心肺機能や筋力が効率的に強化され、平均速度の向上に繋がります。

速度向上に繋がる「機材・装備のポイント」

速度向上に繋がる「機材・装備のポイント」

フォームやペダリング技術の改善が最も重要であることは間違いありませんが、機材や装備を見直すことでも平均速度の向上は期待できます。ただし、やみくもに高価なパーツに交換するのではなく、費用対効果の高いポイントに絞って投資することが賢明です。

まず、最も効果を体感しやすいのが「タイヤ」です。タイヤは自転車で唯一、地面と接しているパーツであり、その性能は「転がり抵抗」に直結します。多くの完成車には耐久性重視のタイヤが装着されていますが、これをより軽量でしなやかな高性能タイヤに交換するだけで、驚くほど走りが軽くなります。また、適切な空気圧を維持することも非常に重要です。空気圧が低いと転がり抵抗が増大し、速度を大きくロスしてしまいます。

次に検討したいのが、ペダルとシューズを固定する「ビンディングペダル」です。ペダルを「踏む」力だけでなく、足を引き上げる「引く」力も推進力に変えることができるため、ペダリング効率が格段に向上します。最初は着脱に慣れが必要ですが、一度使うと手放せなくなるサイクリストが多い、効果的なアップグレードです。

そして意外と見落とされがちなのが「服装」です。風でバタつくような普段着は、大きな空気抵抗を生み出し、パラシュートのように体を後ろに引っ張ります。体にフィットするサイクルウェアを着用するだけで、空気抵抗は大幅に削減され、同じ力でも楽に速く走ることができるようになります。

安全と法律:速度を出す前に知るべきこと

安全と法律:速度を出す前に知るべきこと

平均速度を上げるためのテクニックを身につけることは、サイクリングの楽しみを広げますが、それと同時に安全への意識と法律の遵守が不可欠になります。スピードが出れば出るほど、事故のリスクは高まり、万が一の際の被害も甚大になります。速度を追求する前に、必ず守るべきルールを確認しておきましょう。

まず、日本の道路交通法では、自動車のように自転車に対する「法定速度」は定められていません。しかし、道路標識などで最高速度が指定されている道路(例えば「40」と表示があれば時速40kmが上限)では、自転車もその速度制限に従わなければなりません。

特に注意が必要なのが、やむを得ず歩道を通行する場合です。歩道はあくまで歩行者が優先であり、自転車は「徐行」する義務があります。「徐行」とは、「直ちに停止することができるような速度」と定義されており、警察庁によれば時速8kmから10km程度が目安とされています。歩行者の通行を妨げる場合は一時停止しなければならず、これを怠ると罰則の対象となる可能性があります。

速く走る能力を持つことと、実際にその速度で走ることが許されるかは別の問題です。常に周囲の状況をよく確認し、交通の流れや路面の状態に応じた「安全な速度」で走行することを最優先してください。ヘルメットの着用や、十分な制動性能を持つブレーキの整備も、安全に速く走るための大前提です。

総括:あなたの自転車ライフを豊かにする「平均速度」との付き合い方

この記事のまとめです。

  • 自転車の平均速度は車種と乗り手のレベルで大きく異なる。
  • ロードバイクは乗り手次第で平均速度が20km/h台から40km/h超まで変化する。
  • クロスバイクの平均速度は18~25km/hが一般的な目安である。
  • ママチャリの平均速度は12~18km/h程度である。
  • ミニベロはタイヤが小さくてもギア比によりクロスバイク並みの速度が出せる。
  • 電動アシスト自転車は時速24kmでアシストが切れるため、最高速より加速や登坂が得意である。
  • 「ネット平均速度」は走行時間のみで計算した速度で、サイコンの表示はこれにあたる。
  • 「グロス平均速度」は停止時間を含む総時間で計算した実際の移動速度である。
  • 平均速度を上げる最も効果的な方法は空気抵抗を減らすフォーム改善である。
  • 空気抵抗の約8割は乗り手の体が原因である。
  • 上半身を前に倒し、風を受ける面積を減らすことが重要である。
  • 効率的なペダリングは疲労を減らし、平均速度を維持する鍵である。
  • 毎分80~90回転のケイデンスを意識すると筋肉への負担が減る。
  • ペース配分を意識し、特に登り坂で無理をしないことが長距離では重要である。
  • 自転車には法定速度はないが、指定最高速度は遵守する義務がある。
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

はじめまして、チャリネコです。
子どもから大人まで、きっと誰もが一度は乗ったことのある自転車。
とても身近な乗り物だけど、実は知らないことっていっぱいありませんか?

目次