電動アシスト自転車のリミッター解除やり方と知っておくべき違法リスク

電動アシスト自転車のリミッター解除やり方と知っておくべき違法リスク

「もっとスピードを出して走りたい」「アシストが切れる24km/hの壁をどうにかしたい」――電動アシスト自転車に乗っていると、そう感じる瞬間があるかもしれません。インターネット上では改造パーツの情報が出回り、リミッター解除への関心が高まっているのも事実です。

しかし、結論からお伝えします。リミッターを解除した電動アシスト自転車で公道を走ることは、現行の日本の法律に明確に違反する行為です。無免許運転・無保険運行・整備不良など複数の違反が同時に成立し、刑事罰だけでなく、億単位の損害賠償を求められる可能性もあります。

この記事では、電動アシスト自転車のリミッターの仕組みから、解除が違法となる理由・罰則の実態、各メーカーで流通している解除手法の実態、そして合法的に走行効率を高める方法まで、ソース情報に基づいて解説します。改造を検討している方はもちろん、「なぜ危険なのか」を正しく知りたい方にもお役立てください。

この記事のポイント
  • 電動アシスト自転車のリミッターは「安全・合法・故障防止」のために不可欠な装置で、24km/h以上でモーターのアシストをゼロにする仕組み
  • リミッター解除後は「原動機付自転車(原付バイク)」扱いとなり、無免許運転・無保険運行など複数の法令違反が同時に成立する
  • 違反による罰則は最大で3年以下の懲役または50万円以下の罰金、さらに事故時の賠償は数千万円から億単位になるケースもある
  • メルカリやヤフオク!で改造センサーが流通しているが、出品者自身が「公道走行NG・自己責任」と注記している
目次

電動アシスト自転車のリミッター解除が違法な理由と罰則

  • リミッターの仕組みとアシスト比率の法律基準
  • 公道走行が違法になる理由と科される罰則の実態
  • メーカー保証と保険が無効になる経済的リスク
  • 速度超過がもたらす安全面の重大リスク

電動アシスト自転車のリミッターとアシスト比率の仕組み

電動アシスト自転車のリミッターとアシスト比率の仕組み

電動アシスト自転車のリミッターは、「スピードセンサー」と「コントローラー(制御ユニット)」の2つで構成されています。スピードセンサーは、後輪のスポークやクランク部分に取り付けられたマグネット(磁石)と、フレーム側に取り付けられたセンサーで構成されており、車輪やペダルが回転するたびにマグネットがセンサーの前を通過します。この通過頻度から現在の速度を計算し、コントローラーに送信する仕組みです。

コントローラーは電動アシスト自転車の「頭脳」とも呼ばれる部分で、センサーから送られてきた速度情報を受け取り、「24km/hに達したか」を判断します。24km/hに達したと判断すると、モーターへの電力供給を停止するよう命令を出します。

道路交通法で定められたアシスト比率は以下のとおりです。

走行速度 アシスト比率(人の力:モーターの力)
時速10km未満 最大 1:2(最もアシストが強力)
時速10km以上〜24km未満 速度が上がるにつれてアシスト比率が徐々に低下
時速24km以上 1:0(アシストゼロ)

最もアシストが強力なのは漕ぎ出しの低速域で、スピードが上がるにつれてアシスト力は弱まっていきます。このルールは国の基準であり、市場に流通する各電動アシスト自転車に適用されています。

リミッターは単なる速度制限装置ではなく、安全・合法・故障防止のために不可欠な装置です。モーターやバッテリーを高速域で使い続けると過電流や過負荷が発生しやすくなるため、リミッターはこれを防ぐ役割も担っています。

公道走行が違法になる理由と科される罰則の実態

公道走行が違法になる理由と科される罰則の実態

リミッターを解除した電動アシスト自転車は、道路交通法上「電動アシスト自転車」ではなく「原動機付自転車(原付バイク)」として扱われます。

原動機付自転車として公道を走行するためには、次の条件を満たす必要があります。

  • ナンバープレートの取得・表示
  • 自賠責保険への加入
  • ヘルメットの着用
  • 原付免許の携帯
  • 方向指示器やバックミラーなどの保安部品の装備

これらを一つでも満たさない状態で公道を走行した場合、以下の罰則が科される可能性があります。

違反内容 罰則
無免許運転 3年以下の懲役または50万円以下の罰金
無保険運行 1年以下の懲役または50万円以下の罰金+違反点数6点(即座に免許停止)
整備不良 6ヶ月以下の懲役または10万円以下の罰金

実際に摘発事例も報告されています。大阪では改造パーツを販売した個人が逮捕されています。また、令和5年1月に京都府警察本部が時速45km/hで走行できる海外製電動自転車を「電動アシスト自転車」として販売していた自転車販売会社を摘発したとの報告があります。

改造そのものが直ちに罰せられるわけではないものの、改造した車両で公道を走ることが法律上の問題となります。「バレなければいい」という考え方は通用しません。

メーカー保証と保険が無効になる経済的リスク

メーカー保証と保険が無効になる経済的リスク

リミッターを解除するような改造を行った時点で、メーカー保証は即時無効となります。アシスト速度の上限を超えて走行すると、バッテリー・モーター・ギアなどに過度な負荷がかかり、故障する可能性が大幅に高まります。しかし保証が無効になっているため、故障しても無償修理はもちろん、有償での修理すら正規店に断られるケースがほとんどです。高価な電動自転車が事実上廃棄になるリスクがあります。

保険面でのリスクも深刻です。リミッターを解除した車両で事故を起こした場合、以下の保険が適用外になる可能性があります。

  • 自転車保険
  • 個人賠償責任保険
  • 加入している任意保険

保険が使えなければ、事故の賠償金は各自が全額自己負担となります。他人を傷つけたり、死亡させてしまったりした場合には、数千万円から億単位の損害賠償を求められるケースもあります。

また、パナソニックオフタイムでは2020年〜2021年製造分にリコール対象モデルが存在し、走行時の安定性に問題が出るケースも確認されています。改造を検討する前に、まずリコール対象かどうかを確認することが重要です。

速度超過がもたらす安全面の重大リスク

速度超過がもたらす安全面の重大リスク

リミッターを解除した電動アシスト自転車が抱える安全上のリスクは、法的な問題と同じくらい深刻です。

速度が上がるほど制動距離は大幅に伸びます。電動アシスト自転車のブレーキは24km/h以下での使用を前提に設計されており、高速走行を想定していません。同様に、フレーム・タイヤ・ホイールも、設計速度以上の負荷に耐えられる構造にはなっていません。

カーブでの転倒リスクや急な回避が困難になることも指摘されています。電動アシスト自転車は見た目以上に重量があるため、衝突時のエネルギーも大きくなります。歩行者や他の車両にとって予測しにくい危険をもたらす可能性があります。

改造後の速度は、手法によって30km/h、40km/h、場合によっては50km/h近くに達することもあります。そのような速度域での事故は、自分だけでなく周囲の人を巻き込む重大な結果を招きかねません。

リミッター解除の主な手法と合法的に電動アシスト自転車を速く乗る方法

  • 速度センサー操作・ギア比変更など主な解除手法の実態
  • ヤマハ・ブリヂストン・パナソニック別の解除方法の違い
  • 合法的に電動アシスト自転車の走行効率を上げる4つの方法

速度センサー操作・ギア比変更など主な解除手法の実態

速度センサー操作・ギア比変更など主な解除手法の実態

リミッター解除の手法として最も一般的なのが、スピードセンサーやマグネットへの介入です。

電動アシスト自転車の速度検知は、車輪に取り付けられたマグネットの通過をセンサーが読み取る仕組みを使っています。この仕組みを利用し、マグネット数を純正の3分の1に減らした改造パーツを使うことで、コントローラーに実際より低い速度を誤認識させるという手法が確認されています。この手法では、フルアシスト制限を10km/hから30km/hまで延長できるとされています。

こうした改造マグネットセンサーはメルカリやヤフオク!で販売されており、3Dプリンターで製造されたカスタムパーツとして出品されているケースも確認されています。出品者は「公道走行NG」「自己責任」「サポート不可」と注意書きを添えていることが多いですが、それ自体が改造の違法性を示しています。

ギア比を変更する手法も存在します。多くの電動自転車は9Tギアを採用していますが、これを11Tに変更することでアシスト範囲が29.3km/hまで広がるとされています。また、日本用に制限が施された海外製の電動自転車を元の仕様に戻す海外スピードメーターを取り付けると、最大41km/hまでアシストが継続するとの情報もあります。

さらに、バッテリーの電圧・出力を増やしてモーターへ高電力を供給する方法や、コントローラーを直接改造して速度リミッターを解除する方法も存在します。いずれも技術的な知識が必要で、不適切な改造は故障や火災につながる危険性があります。

ヤマハ・ブリヂストン・パナソニック別の解除方法の違い

ヤマハ・ブリヂストン・パナソニック別の解除方法の違い

メーカーによって採用しているセンサーや制御システムが異なるため、解除手法にも違いがあります。ただし、いずれの手法も違法であることに変わりはありません。

ヤマハ

ヤマハの電動アシスト自転車では、マグネットセンサーの交換が主な手法として確認されています。複数のマグネットの位置変更や加工が必要なケースもあり、フリマサイトでは「最適な位置」に調整済みのカスタム品が流通しているとのことです。

ブリヂストン

ブリヂストンはヤマハのOEM製品が多く、マグネットセンサー型の解除手法が中心です。一部ではギア変更型の手法も見られます。2016年前後でセンサーが新型に切り替わっており、古い改造パーツが適合しないケースがあるとの検証結果が報告されています。ブリヂストン専用の改造パーツはネット上での情報が少なく、検索してもヒットするパーツの数は少なめとされています。

パナソニック

パナソニックの電動アシスト自転車では、モーター内部の駆動ギアを大きな歯数のものに交換するギア比変更型が特徴的な手法として挙げられています。パナソニックオフタイムの場合は、センサー操作・バッテリー改造・コントローラー改造などの複数手法が存在するとされています。

合法的に電動アシスト自転車の走行効率を上げる4つの方法

合法的に電動アシスト自転車の走行効率を上げる4つの方法

リミッター解除をしなくても、日々のメンテナンスと工夫で走行効率を向上させることは可能です。アシスト上限の24km/hは変わりませんが、アシストが切れた後の自力走行が楽になるという大きなメリットがあります。

1. タイヤ空気圧の維持

タイヤの空気が不足していると、路面との摩擦抵抗が大きくなりスピードが落ちる原因になります。定期的に空気圧をチェックし、メーカーが指定する適正値に保つだけで、走りが軽くなる効果があります。

2. チェーンの清掃と注油

チェーンが汚れていたり油が切れていたりすると、ペダルを漕ぐ力がスムーズに伝わりません。チェーンを清掃し、専用オイルを注すことで駆動効率が向上し、少ない力でスピードを維持できます。

3. 正しいギアチェンジの活用

平坦な道では重いギアを、坂道では軽いギアを選ぶなど、路面状況に合わせてこまめにギアチェンジすることで、モーターのアシストと自分の脚力をより効率的に使えるとのことです。

4. ライディングフォームの見直し

ロードバイクのような本格的な姿勢は不要ですが、前傾姿勢を少し意識するだけで空気抵抗が減少し、高速域でのスピード維持が楽になるとのことです。

これらの方法は、いずれも法律の範囲内で実施できるものです。日々のメンテナンスと工夫が、走行効率向上の第一歩となります。

電動アシスト自転車のリミッター解除やり方と安全利用のポイントまとめ

この記事のまとめです。

  • 電動アシスト自転車のリミッターは「スピードセンサー」と「コントローラー」の2つで構成されており、24km/hに達するとモーターへの電力供給を停止する仕組みになっている
  • 道路交通法では、10km/h未満は最大1:2のアシスト比率、10〜24km/hは段階的に低下、24km/h以上はアシストゼロと定められている
  • リミッターは安全・合法・故障防止のために不可欠な装置であり、国の基準として各電動アシスト自転車に適用されている
  • リミッターを解除した電動アシスト自転車は「原動機付自転車(原付バイク)」扱いとなり、ナンバープレート・自賠責保険・ヘルメット・原付免許が必要になる
  • 無免許運転は3年以下の懲役または50万円以下の罰金、無保険運行は1年以下の懲役または50万円以下の罰金と違反点数6点(即座に免許停止)が科される
  • 大阪では改造パーツを販売した個人が逮捕されており、令和5年1月には京都府警察本部が基準を超えた海外製電動自転車を販売していた業者を摘発した事例がある
  • 改造した時点でメーカー保証は即時無効となり、故障しても有償修理すら正規店に断られるケースがほとんどである
  • 事故時には自転車保険・個人賠償責任保険・任意保険が適用外になる可能性が高く、賠償金は数千万円から億単位に及ぶケースもある
  • パナソニックオフタイムには2020〜2021年製造分にリコール対象モデルが存在するため、改造検討前にリコール確認が必要
  • ブレーキやフレーム・タイヤ・ホイールは24km/h以下での使用を前提に設計されており、速度超過による制動距離の増大や構造的破損のリスクがある
  • 改造後の速度は手法によって30km/h・40km/h、場合によっては50km/h近くになり、歩行者や他車両への重大な危険を招く
  • 改造マグネットセンサーはメルカリやヤフオク!で販売されているが、出品者自身が「公道走行NG・自己責任」と注記している
  • ブリヂストンは2016年前後でセンサーが新型に切り替わっており、古い改造パーツが適合しないケースが報告されている
  • 合法的に走行効率を高める方法として、タイヤ空気圧の維持・チェーンの清掃と注油・正しいギアチェンジ・ライディングフォームの見直しの4つが有効
  • 日々のメンテナンスと工夫でアシストが切れた後の自力走行を楽にすることが、安全かつ合法的なパフォーマンス向上の第一歩
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この記事を書いた人

はじめまして、チャリネコです。
子どもから大人まで、きっと誰もが一度は乗ったことのある自転車。
とても身近な乗り物だけど、実は知らないことっていっぱいありませんか?

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