高校生になって自転車通学を始めるとき、「どんな自転車を選べばいいのか分からない」「毎日乗るから壊れにくいものがいい」と悩む方は多いのではないでしょうか。保護者の方も、子どもに合った安全な一台をどう選ぶか迷うことがあると思います。
通学用自転車はシティサイクルとクロスバイクの2タイプが主流ですが、それぞれに特徴があり、通学距離や学校の校則、毎日の使い方によって選ぶべき一台は変わります。変速機の種類やサイズの合わせ方、ブレーキ性能、ライトの仕様など、購入前に確認しておきたいポイントは意外と多くあります。
この記事では、シティサイクルとクロスバイクの違いから始まり、変速機・サイズ・ブレーキ・装備の選び方、パンク防止機能や鍵の選び方、2026年4月から始まる青切符制度の内容、自転車保険の加入ポイントまで幅広く解説します。高校生の自転車通学に必要な情報をまとめていますので、ぜひ参考にしてください。
- 自転車のタイプ(シティサイクル/クロスバイク)は通学距離や用途で選ぶ
- 変速機・サイズ・ブレーキ・ライトは購入前に必ず確認すべき基本4点
- 2026年4月から16歳以上の高校生にも自転車の青切符制度が適用される
- 多くの自治体で自転車保険への加入が義務・努力義務化されている
高校生の通学自転車の選び方と種類
- シティサイクルとクロスバイクの種類と特徴
- 変速機の種類と通学ルートに合う選び方
- 通学自転車のサイズ選びと適正身長の目安
- 安全に止まるためのブレーキ性能とライトの確認
- 通学に必要な装備と学校の校則確認のポイント
シティサイクルとクロスバイクの種類と特徴

通学用自転車を選ぶとき、まず大きく分けられるのがシティサイクルとクロスバイクの2タイプです。
シティサイクルはさらに「ファミリータイプ」と「シティタイプ」の2種類があります。ファミリータイプはいわゆるママチャリで、またぐ部分がU型のフレームにセミアップハンドルを採用しており、ゆったりとした姿勢で乗ることができます。両立スタンドや荷台が標準装備されているモデルが多く、荷物が多い通学にも対応しやすいのが特徴です。サイズは26型が一般的ですが、24型や27型も展開されています。
シティタイプはまっすぐなハンドル形状でハンドル操作が安定しており、上半身に力を入れやすい設計になっています。
クロスバイクを通学に使う場合、ほぼ毎日乗り続けると年間2,000〜4,000kmという原付バイク並みの走行距離になるとの報告があります。そのため通学用クロスバイクを選ぶ際は、「かっこいい」「速そう」という外見だけで選ぶのではなく、ブレーキ性能・耐久性・パンクしにくいタイヤ・サイズ・信頼できるお店という5つの条件を軸に選ぶことが推奨されています。外見だけで選ぶと、雨の日や暗い時間帯に怖くなって乗らなくなってしまう事例もあるため、実用面を重視した選び方が大切です。

変速機の種類と通学ルートに合う選び方

通学路が平坦で距離が短い場合は変速なしの自転車でも対応できる場合がありますが、毎日使う通学自転車には変速付きが推奨されています。変速機には主に「内装変速」と「外装変速」の2種類があり、それぞれ特徴が異なります。
内装変速は後輪の軸に変速機が搭載されており、変速時にチェーンが外れるトラブルが少ないのが利点です。どんな場面でも気軽に変速できる操作性があり、一般的なモデルは3段変速です。一部には5段変速のモデルもあり、坂道の多い通学路や長距離の通学にも対応できます。
外装変速は6段変速のモデルが多く、細かい変速切り替えができるのが特徴です。チェーンや後輪ギアが露出しているため、内装変速に比べて注油の頻度が多くなりますが、変速機がチェーンの張りを一定に保つ仕組みのため、チェーン外れは少ない傾向があります。
なお、電動アシスト自転車はアシスト機能が24km/hまで作動し、20km/hを超えるとアシストが弱まる仕様との報告があります。通学用途での使い方については、学校の校則や通学路の状況に合わせて検討してください。
通学自転車のサイズ選びと適正身長の目安

自転車のサイズ選びは、安全な乗車に直結する重要なポイントです。一般的な適正身長の目安として、24型は135cm以上、26型は145cm以上、27型は160cm以上が示されています。
サイズが合わない自転車に乗ると、ブレーキレバーに手が届きにくくなったり、走行中にふらつく原因になったりします。特にスポーツバイクの場合、「成長期だから少し大きめを選ぼう」という考えは、一番やってはいけない失敗とされています。大きすぎる自転車はコントロールが難しくなり、安全面でのリスクが高まります。
適正サイズの基準は身長だけではなく、手足の長さや安全に操作できる筋力も考慮する必要があります。身長は同じでも体型によって乗り心地は変わるため、購入前に実際に試乗して確かめることが推奨されています。
また、足つきが心配な場合は低床サドルというオプションがあります。通常のサドルより地上高が5〜6cm低くなるため、足が地面に届きやすくなります。クロスバイクを選ぶ場合は、専門スタッフによるフィッティングを受けて、今の体型にジャストサイズの一台を選ぶことが大切です。

安全に止まるためのブレーキ性能とライトの確認

通学自転車を選ぶ際、ブレーキ性能とライトの仕様は安全性に直結するため、必ず確認しておきたいポイントです。
クロスバイクで採用が広まっている油圧ディスクブレーキは、雨の日でもブレーキの効きが変わりにくく、軽い力で止まることができます。握力が弱い方でも安心して使えるブレーキとして、通学用クロスバイクの主流になっています。
シティサイクルでは、前ブレーキにダブルピボットブレーキが使われているモデルがあり、軽いタッチでブレーキが効く操作性の良さが特徴です。後ブレーキにはローラーブレーキを採用するモデルがあり、バンドブレーキのような不快なブレーキ音がしにくく、メンテナンス性にも優れています。
ライトについては、点灯時にペダルが重くならないLEDオートライトを選ぶ方が増えています。日中もデイライトとして常時点灯するタイプや、暗くなると乗車時に自動で点滅するオートテールライト付きのモデルもあります。
電動アシスト自転車を使用している場合は、電池が切れるとライトも点灯しなくなる場合があります。特に冬場は日が短いため、帰宅時に無灯火になるリスクがある点に注意が必要です。
通学に必要な装備と学校の校則確認のポイント

自転車を購入する前に、学校の校則で定められた条件を確認しておくことが重要です。校則によってはカラー・ハンドル形状・スタンド形状・変速の段数・Wロックの有無などが指定されている場合があります。
荷物を運ぶためのカゴについては、スクールバッグに対応したワイドタイプの大型バスケットが便利です。ただし前かごの耐荷重は3kgが一般的なため、重い荷物は後ろの荷台に載せるようにしましょう。荷台は後から取り付けることもできますが、荷物を積んだ状態での駐輪が不安定になりやすいため、両立スタンドへの交換も合わせて検討することが推奨されています。
通学モデルの多くは両立スタンドや荷台が標準装備されており、雨や湿気による錆に強いステンレスやアルミ製のパーツをハンドル・泥除け・カゴなどに採用しているものもあります。
また、BAAマークは「自転車安全基準」の約90項目にわたる厳しい検査をクリアした自転車に付与されるマークです。安全性の基準として参考にすることができます。
高校生の自転車通学で知っておきたい安全とルール
- パンク防止タイヤと耐久性を高める機能の選び方
- 盗難を防ぐ鍵の選び方とWロックの活用方法
- 2026年4月から変わる自転車の青切符制度と高校生への影響
- 自転車保険の必要性と高校生が知っておきたい加入のポイント
パンク防止タイヤと耐久性を高める機能の選び方

毎日乗る通学自転車では、パンクや部品の劣化によるトラブルを減らすことが重要です。パンクの主な原因は、鋭利なものが刺さる・段差の衝撃・空気の入れ過ぎによるバーストの3種類です。
耐パンクタイヤはタイヤの内部に耐パンクベルトを内蔵した構造で、異物がチューブまで到達しにくくなっています。さらにパンク防止剤を組み合わせ、定期的な空気入れを行うことで、パンクリスクを大きく下げることができます。
ホイールの耐久性という面では、タンジェント組(交差組)で組まれた32〜36本のスポークを持つホイールが、衝撃を分散して長持ちするとされています。一方、スポークをまっすぐ伸ばすラジアル組は衝撃を受け止める方向に弱く、通学用には不向きとされています。リムについては、ステンレスリムがアルミより強度が高く、体格の大きい方や重い荷物を運ぶ場合に推奨されています。
チェーンはハイガードチェーンという防錆加工が施されたタイプを選ぶとメンテナンスの手間を減らすことができます。さらに上位モデルではベルトドライブを採用するものもあり、錆びない・注油不要・耐久性が非常に高いという特長がありますが、比較的高額になります。駆動部のボトムブラケット(BB)については、カートリッジタイプが通常品より耐久性が高く、故障リスクを抑えられます。

盗難を防ぐ鍵の選び方とWロックの活用方法

通学先での駐輪中に盗難被害を防ぐには、鍵の選び方と使い方が大切です。多くの自転車は後輪部分にリング錠が標準装備されていますが、鍵の強度はモデルによってまちまちです。盗難リスクを下げるには、頑丈なリング錠を選ぶこと、そして複数の鍵で施錠するWロックが基本的な対策とされています。
ワイヤー錠を追加してリング錠と合わせてWロックにするのが効果的な方法のひとつです。また、リング錠と連動したハンドルロック機能を持つモデルもあり、リング錠をかけるだけでハンドルも動かなくなる仕組みになっています。連動タイプではなく、同じカギで操作できるタイプのハンドルロックもあり、鍵を複数持ち歩く手間を省くことができます。
学校によってはWロックを校則の条件としているケースもあります。購入前に学校の規定を確認し、対応した鍵の仕様を選ぶようにしましょう。

2026年4月から変わる自転車の青切符制度と高校生への影響

2026年4月1日から、自転車にも交通反則通告制度(青切符)が適用されます。これは自動車と同様に、自転車の交通違反に対して反則金を科す制度です。対象となるのは16歳以上の自転車運転者で、高校1〜3年生のほとんどが対象年齢に含まれます。
青切符の対象となる違反例としては、ながらスマホ・遮断踏切への立入り・ブレーキ不良などがあります。酒酔い運転や事故を起こした場合は引き続き赤切符による刑事手続きの対象となります。
反則金の支払いは、取り締まりを受けた翌日から原則7日以内に銀行や郵便局の窓口で仮納付の手続きを行う必要があります。また、危険な行為を繰り返すと「自転車運転者講習」の受講対象になります。
なお、自転車の死亡・重傷事故のうち約4分の3は自転車側にも法令違反があったというデータがあります。自転車は車両の一種であるという意識を持ち、交通ルールを守った乗り方が求められます。運転免許を持っている場合でも、自転車の違反は免許の点数には影響しない点も覚えておきましょう。
自転車保険の必要性と高校生が知っておきたい加入のポイント

自転車通学を始める高校生と保護者の方に、自転車保険についても確認しておくことをお勧めします。2024年の統計では約8分に1件の割合で自転車事故が発生しているとの報告があります。
特に注目すべきは、歩道での自転車対歩行者の死亡・重傷事故において、加害者となった自転車運転者の年齢層として15〜19歳が最多との報告があります。高校生の前方不注意による事故で、相手に言語機能の喪失等の重大な障害が残った実例もあります。
自転車保険の年払保険料は年間2,730円〜というプランがあり、個人賠償責任補償として1億円〜3億円、または無制限のプランも用意されています。万が一の事故で相手に大きな損害を与えた場合に備えるための保険です。
多くの自治体で自転車保険への加入を「義務」または「努力義務」として定めるようになっており、加入の必要性は高まっています。満18歳未満の高校生の場合、保護者が契約者となって子どもを被保険者として加入することができます。自転車通学を始める前に、ご家庭で加入状況を確認しておきましょう。
高校生の通学自転車選びと安全対策のまとめ
この記事のまとめです。
- シティサイクルはファミリータイプとシティタイプの2種類があり、荷台・両立スタンド標準装備のファミリータイプが通学に使いやすい
- クロスバイクを通学に使うと年間2,000〜4,000kmになる場合があり、ブレーキ・耐久性・タイヤ・サイズ・お店の5条件で選ぶことが推奨されている
- 外見だけで自転車を選ぶと雨天や夜間に乗れなくなる事例があるため、実用面を重視した選択が大切
- 変速機は内装変速(3〜5段)が操作しやすくチェーン外れが少なく、外装変速(6段)は細かい調整ができる
- 自転車サイズの目安は24型が135cm〜、26型が145cm〜、27型が160cm〜で、成長を見越した大きめ選びはスポーツバイクでは避けるべき
- ブレーキはクロスバイクで油圧ディスクブレーキが主流、シティサイクルではダブルピボット(前)・ローラーブレーキ(後)が安心
- オートライトやオートテールライトは無灯火を防ぐために通学自転車に欠かせない装備
- 購入前に学校の校則(カラー・スタンド形状・変速段数・Wロックなど)を確認しておく必要がある
- 耐パンクベルト内蔵タイヤ・パンク防止剤・定期的な空気入れの組み合わせでパンクリスクを下げられる
- タンジェント組・32〜36本スポークのホイールは衝撃に強く通学向きで、ラジアル組は通学に不向き
- 盗難対策はリング錠にワイヤー錠を追加したWロックが基本で、ハンドルロック連動タイプも効果的
- 2026年4月1日から16歳以上の自転車運転者に青切符(交通反則通告制度)が適用され、ながらスマホや踏切立入などが対象
- 青切符の反則金は取り締まり翌日から原則7日以内に銀行や郵便局で手続きが必要
- 自転車事故の加害者となった年齢層として15〜19歳が歩道での重大事故で最多という報告があり、自転車保険の加入が重要
- 自転車保険は年間2,730円〜から加入でき、満18歳未満は保護者が契約者として子どもを被保険者に加えることができる

