パンクしないタイヤの自転車とは?仕組みや選び方を解説

パンクしないタイヤの自転車とは?仕組みや選び方を解説

通勤や通学の途中で自転車がパンクしてしまい、困った経験はありませんか?出先でのパンクは自転車屋を探す手間や修理費用がかかり、大きなストレスになります。

実は、パンクのリスクをなくせる「ノーパンクタイヤ」や、パンクに強い「耐パンクタイヤ」を採用した自転車が販売されています。空気を入れる手間が不要になるなどのメリットがある一方、乗り心地や費用面でのデメリットも存在します。

この記事では、パンクしないタイヤの仕組みや種類の違い、交換費用や寿命の目安、さらに通常のタイヤでもパンクを防ぐ方法まで詳しく解説します。ご自身の使い方に合った選択ができるよう、ぜひ最後までお読みください。

この記事のポイント
  • ノーパンクタイヤと耐パンクタイヤの仕組みと違いがわかる
  • パンクしないタイヤのメリット・デメリットを把握できる
  • 交換費用や寿命の目安を知って賢く選べる
  • 通常のタイヤでもパンクを予防する方法がわかる
目次

パンクしない自転車のタイヤの仕組みと種類の違い

  • ノーパンクタイヤがパンクしない理由と内部構造
  • ノーパンクタイヤと耐パンクタイヤの違いと選び方
  • パンクしないタイヤの価格帯とおすすめメーカー
  • ノーパンクタイヤの交換費用と寿命の目安

ノーパンクタイヤがパンクしない理由と内部構造

ノーパンクタイヤがパンクしない理由と内部構造

ノーパンクタイヤは「絶対にパンクしないタイヤ」です。通常の自転車タイヤはゴムタイヤの中に空気が入ったゴムチューブが使われていますが、ノーパンクタイヤには内部に空洞がなく、チューブの代わりにジェルやウレタンなどが注入されています。空洞がないため、空気が抜けてパンクが起きる仕組みそのものが存在しません。

内部構造はいくつかの種類に分かれます。ノーパンクタイヤを切断した断面を確認すると、特殊ポリマー樹脂などをぎっしり詰めているタイプ、硬い素材で筒状にした中空タイプ、タイヤとホイールが一体となったタイプなどが存在します。また、大きく分類するとゴムやウレタンが詰まったソリッド(中実)タイプと、発泡素材を使ったパンクレスチューブ方式に分けられます。

この構造のため、釘やガラス片がタイヤに刺さってもパンクしません。万が一異物が刺さった場合は、抜けばそのまま走行を続けることができます。また、空気圧不足によるパンクも起こりません。空気圧が低い状態で段差を乗り越えた際にチューブがリムと地面に挟まれてパンクする、いわゆるリム打ちパンクのリスクもゼロです。

ノーパンクタイヤの代表的な素材として、Tannus(タンナス)社製の高分子ポリマータイヤがあります。この素材は独自のマイクロセル構造ポリマーを使用しており、従来のウレタン製タイヤと比べて軽量化と弾力性を実現した製品として知られています。ノーパンクタイヤは正式にはソリッドタイヤ(Solid tire)と呼ばれ、エアレスタイヤやエアフリータイヤとも称されることがあります。

ノーパンクタイヤと耐パンクタイヤの違いと選び方

ノーパンクタイヤと耐パンクタイヤの違いと選び方

パンクしないタイヤには大きく分けて「ノーパンクタイヤ」と「耐パンクタイヤ」の2種類があります。この2つは似ているようですが、仕組みも性能も異なります。

ノーパンクタイヤは、タイヤ内部に空気の入るチューブが一切存在しません。代わりにウレタンやジェルといった素材がぎっしり詰まっており、構造上、空気が入っていないため絶対にパンクしません。空気入れのメンテナンスも一切不要です。一方でデメリットとして、空気のクッションがないため路面からの衝撃が大きく感じやすく、乗り心地が硬くなります。

耐パンクタイヤは、通常の自転車に比べてタイヤのゴムが分厚く作られたタイプです。構造自体はタイヤとチューブから成る一般的なチューブ式タイヤと同じですが、地面と接するトレッド面のゴムが物理的に厚く、内部に特殊な強化層が追加されていることで、異物が貫通しにくくなっています。普通の自転車よりはパンクしにくいものの、ノーパンクタイヤのように絶対にパンクしないわけではありません。乗り心地は普通の自転車に近く、空気を入れるメンテナンスも引き続き必要です。

普通のタイヤを後からノーパンクタイヤに変更することは不可能ですが、耐パンクタイヤへの交換は可能です。どちらを選ぶかは用途によって異なります。自転車屋が近くにない方やメンテナンスを忘れがちな方にはノーパンクタイヤが、長距離走行をする方や段差の多い道を走る方には耐パンクタイヤが向いているとされています。

なお、パンク対策の別の選択肢として、ケブラーやナイロンの耐カットベルトを内蔵した「耐パンク強化クリンチャー」という選択肢もあるとの報告があります。空気入りのしなやかさを保ちながらパンク頻度を下げられ、コストと性能のバランスに優れているとのことです。

パンクしないタイヤの価格帯とおすすめメーカー

パンクしないタイヤの価格帯とおすすめメーカー

ノーパンクタイヤを採用した自転車を販売している代表的なメーカーとして、CHACLE(チャクル)とアサヒサイクルの2社が挙げられます。

CHACLEは「次世代エアレスタイヤ」を特徴としたラインナップを取りそろえているブランドです。通勤通学向けの自転車、三輪車、電動自転車など幅広いタイプの自転車に次世代エアレスタイヤを採用しています。CHACLEが使用しているのはTannus社製の高分子ポリマータイヤで作られたチューブレスタイヤです。価格帯はCHACLE SWIFTNESSが27インチ・外装6段変速で42,878円(税込)から、クロスバイクタイプのCHACLE プレステッツァが52,580円(税込)、20インチ折りたたみのCHACLE VELETAが47,080円(税込)となっています。

アサヒサイクルはノーパンクタイヤ「t-チューブ」を採用した自転車を展開しています。t-チューブを使用した製品には「ジオクロスN」「プロテクティア27」などがあります。アサヒサイクルのノーパンク自転車は、一般的なJISフレーム試験に加えて、凸ドラムの上を連続60分走行するCSA堅牢試験も実施しています。

サイマ(cyma)などの自転車通販では、Punk Rock(33,800円・税込)やArvita(35,800円・税込)といったノーパンクタイヤ搭載モデルも取り扱われています。ママチャリタイプのノーパンク自転車の場合、一番安いもので3万円程度が目安です。

耐パンクタイヤを採用した自転車ではブリヂストンの製品が知られています。アルベルトL型は76,021円(税込)、TB1は55,200円(税込)となっています。

ノーパンクタイヤの交換費用と寿命の目安

ノーパンクタイヤの交換費用と寿命の目安

ノーパンクタイヤの交換費用は、通常のタイヤと異なる特別な費用と手間がかかります。一般的な目安として、前後セットで15,000円程度がかかるとの報告があります。前輪または後輪のみの場合は12,500円前後が目安です。また、タイヤの種類によっては前輪で3,800円から5,500円程度が追加でかかることがあります。

ノーパンクタイヤはその硬さから取り外しや取り付けに専用の工具と高い技術が必要であり、工賃が通常のタイヤより高く設定されることが多い点に注意が必要です。脱着が困難なものが多く、スポークが折れるなどの理由でタイヤ交換が必要になった場合は、5,000〜10,000円程度の費用がかかるとされています。なお、通常のパンク修理であれば1回あたり約1,000円で対応できます。

ノーパンクタイヤ自転車の修理対応をしている自転車屋が少ないのも現状であり、購入前に近隣の対応店舗を確認しておくことが重要です。

寿命については、CHACLEのTannus社製タイヤで5,000km走行後の耐摩耗テストを実施したところ、JIS規格のマイナス5mmを大きく下回るマイナス1mmの変形にとどまったという結果が報告されています。アサヒサイクルのt-チューブは約10,000km走行可能の高耐久性を持つとされています。一般的なノーパンクタイヤの寿命は使用環境や頻度によって異なりますが、3年から5年程度、走行距離では5,000kmから10,000km程度が目安とする報告があります。

パンクしないタイヤのメリット・デメリットとパンク予防策

  • パンクしないタイヤの4つのメリット
  • パンクしないタイヤで知っておきたいデメリット
  • スポーツバイクにノーパンクタイヤが向かない理由
  • 通常のタイヤでパンクを防ぐメンテナンス方法

パンクしないタイヤの4つのメリット

パンクしないタイヤの4つのメリット

ノーパンクタイヤの最大のメリットは、絶対にパンクしないという点です。構造上、空気が入っていないためパンクがつぶれる心配がなく、釘やガラス片が刺さっても走行を続けることができます。万が一異物が刺さっても、抜けばそのまま乗ることが可能です。

空気を入れる手間がかからないことも大きなメリットです。通常の自転車は定期的に空気を補充しないと走行性能が低下しますが、ノーパンクタイヤならその作業が一切不要です。空気抜けの心配がないため、使いたい時にすぐ使える状態を維持できます。

出先でのパンクによるトラブルを回避できる点も見逃せません。修理できる自転車屋を探す必要がなく、通勤や通学での遅刻リスクを大幅に減らすことができます。特に自転車屋が近くにない場所に住んでいる方や、メンテナンスをつい忘れてしまう方にとっては大きなメリットです。

災害時の備えとしても注目されています。空気抜けの心配がないため、万が一の災害時にも移動手段として活躍するとの指摘があります。今乗っている自転車を防災対応にチェンジするためのノンパンクチューブ製品も販売されています。乗り心地については、一般的なタイヤを採用した自転車と変わりないという口コミが多く集まっているとの報告もあります。

パンクしないタイヤで知っておきたいデメリット

パンクしないタイヤで知っておきたいデメリット

ノーパンクタイヤには、メリットと引き換えにいくつかの重要なデメリットがあります。購入前にしっかり把握しておくことが大切です。

タイヤが重く疲れやすい点が挙げられます。ノーパンクタイヤはタイヤの空洞部分を埋めているため、その分重量が重くなりやすい特徴があります。一般的な自転車よりも漕ぎ出しが重く、疲れやすい点はデメリットです。電動アシスト自転車の場合は、バッテリー消費が早くなる可能性もあるとされています。

乗り心地が通常のタイヤより悪くなる傾向があります。空気のクッションがないためクッション性が少なく、路面からの衝撃や振動が体に伝わりやすくなります。長く乗っていると疲れを感じやすいとの報告があります。

スポーク(車輪の棒)が壊れやすいというデメリットもあります。クッション性が少なく地面からの衝撃が直接伝わることで、スポークが金属疲労により壊れやすくなります。1本折れ始めると、2本3本と連続して折れるケースも多いとされています。ノーパンクタイヤは脱着が困難なものが多いため、スポークが折れると修理も大掛かりになる可能性があります。

費用面でも通常の自転車より高くなります。ママチャリタイプのノーパンク自転車でも最低3万円程度かかります。さらに修理対応をしている自転車屋が少ないため、何か別の不具合が生じた際の対応も難しくなるとされています。

スポーツバイクにノーパンクタイヤが向かない理由

スポーツバイクにノーパンクタイヤが向かない理由

クロスバイクやロードバイクなどのスポーツバイクのタイヤは、一般的なシティサイクルとは違って細いため、パンクしやすいという不安を持つ方もいます。しかし、スポーツバイクに乗るサイクリストのほとんどはノーパンクタイヤを使用していないとされています。その理由を理解しておくことは、タイヤ選びの参考になります。

最大の理由は重量の問題です。ノーパンクタイヤには空気の代わりにウレタンなどが詰められているため、タイヤの重量は当然重くなります。スポーツバイクにとって重量はかなり重要な指標であり、特にホイールの外周部分が重くなると走行性能への影響が大きくなるとされています。

加えて、ノーパンクタイヤは重量が重くなるだけでなく衝撃も吸収しないため、自転車やホイールにも優しくないとされています。吸収しきれなかった衝撃がフレームやスポーク、リムなど他のパーツへの負担になり、スポークの破断や故障などの問題が発生しやすくなるとの指摘があります。

スポーツバイクにはノーパンクタイヤではなく、耐パンク強化クリンチャーという選択肢が現実的です。空気入りのしなやかさはそのままに、ケブラーやナイロンの耐カットベルトでトラブルを大幅に抑えられ、通勤距離が長い方にも向いています。ただし、スポーツバイクの場合でも日頃の空気圧管理と走り方に注意することで、パンクの頻度を大幅に抑えることができるとの報告もあります。

一方で、ママチャリなどのシティサイクルは車重自体が重く、ノーパンクタイヤによる重量増の影響がほとんど気にならない場合もあります。シティサイクルはパンク修理もスポーツバイクほど簡単に行えない場合があるため、ノーパンクタイヤの導入に十分な価値があるとの見解もあります。

通常のタイヤでパンクを防ぐメンテナンス方法

通常のタイヤでパンクを防ぐメンテナンス方法

ノーパンクタイヤを使用しなくても、定期的なメンテナンスでパンクのリスクを大幅に下げることができます。実際に起こるパンクでもっとも多いのは、空気圧の不足によるパンクです。道端の釘や異物を踏むケースをイメージする方が多いですが、自転車店での修理データによると空気圧不足が原因のパンクが多数を占めるとの報告があります。

空気圧が十分なタイヤは、多少の衝撃を受けても弾力により跳ね返せます。一方、空気圧が低くなったタイヤは弾力が弱くなり、少しの衝撃でパンクが起きます。また、段差などの下からの衝撃によりタイヤが潰れ、車輪のリムがチューブに食い込んでパンクするリム打ちパンクも、空気圧不足が大きな原因です。そのためタイヤを長持ちさせるためには、定期的に点検を行い、適切な空気圧を保つことが重要です。

もう一つ確認したいのが虫ゴムの状態です。虫ゴムとは自転車のチューブバルブに付いている弁のことで、空気の逆流を防止する役割を持っています。この虫ゴムは経年劣化により破れることがあります。タイヤに空気を入れても数日ですぐに抜けてしまう場合は、虫ゴムが劣化している可能性が考えられます。虫ゴムが劣化している場合は、新しいものに交換することで空気抜けを防ぐことができます。

日頃のメンテナンスとして、月に一度、最低でも2週間に一度は空気圧を確認する習慣が推奨されています。定期的な空気圧チェックと補充を心がけることで、パンクのリスクを大幅に下げることができます。

パンクしないタイヤの自転車の選び方と注意点まとめ

この記事のまとめです。

  • ノーパンクタイヤはチューブの代わりにジェルやウレタンが注入されたタイヤ
  • 空洞がないため釘が刺さってもパンクしない
  • ソリッドタイプや発泡系タイプなど複数の種類がある
  • 耐パンクタイヤはゴムが分厚いタイプでパンクしにくいが絶対ではない
  • ノーパンクタイヤは空気入れ不要でメンテナンスの手間が省ける
  • 耐パンクタイヤは乗り心地が普通の自転車に近い
  • ノーパンクタイヤのデメリットは重さ・乗り心地・スポーク破損・費用
  • ママチャリタイプのノーパンク自転車は3万円程度から購入可能
  • ノーパンクタイヤ交換費用は前後セットで15,000円程度
  • t-チューブは約10,000km走行可能な高耐久性
  • スポーツバイクにはノーパンクタイヤは向かない
  • パンクで最も多いのは空気圧不足が原因
  • 空気圧の定期確認でパンクを予防できる
  • 虫ゴムの劣化も空気抜けの原因になる
  • 自分の使い方に合わせてノーパンクか耐パンクかを選ぶことが大切
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この記事を書いた人

はじめまして、チャリネコです。
子どもから大人まで、きっと誰もが一度は乗ったことのある自転車。
とても身近な乗り物だけど、実は知らないことっていっぱいありませんか?

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