自転車キャンプの始め方|初心者の装備・積み方・行き先選び

自転車キャンプの始め方|初心者の装備・積み方・行き先選び

自転車で走って、テントで一晩過ごす。やってみたいけれど、「専用の自転車が必要?」「キャンプ道具を全部運べる?」と迷いますよね。最初は手持ちのクロスバイクやロードバイクを候補にして、近場で体験するところから考えられます。

サイクルベースあさひも、まず手持ちの自転車にバッグを付けて近場で試すことを勧めています。

僕なら、道具を買う前に「走ることと、キャンプ場で過ごすことのどちらを楽しみたいか」を決めます。軽快に走りたいなら荷物を絞る。ゆっくりくつろぎたいなら、寝床や椅子を運べる積載方法を考える。この順番で、初めての一泊を組み立てていきましょう。

この記事のポイント
  • 手持ちの自転車から始める装備選び
  • 寝床の収納サイズとバッグの適合
  • 距離・坂・営業情報で決める行き先
  • 食事の簡略化と一泊に必要な備え
目次

自転車キャンプの装備は「運べる寝床」からそろえる

専用車を買う前に、手持ちの自転車と旅の目的を合わせる

専用車を買う前に、手持ちの自転車と旅の目的を合わせる

自転車キャンプを始めるために、最初からツーリング専用車へ買い替える必要はありません。サイクルベースあさひの案内では、手持ちのクロスバイクやロードバイクで近場から始める考え方が紹介されています。まずは今の車体に、必要な荷物を運ぶバッグが付くかを考えるのが出発点です。

ただし、「クロスバイクだから何でも付く」という意味ではありません。バイクプラスは、サドルと後輪の位置関係やフレームサイズによって、大型バッグを取り付けられない場合があると説明しています。同じ車種でも、体格に合わせたサイズやサドルの高さで選択肢が変わります。

目的の違いも大切です。モンベルの自転車キャンプ特集では、小さな道具を車体のバッグへ収める軽量スタイルと、荷台にサイドバッグを付けて快適な道具を運ぶスタイルを紹介しています。後者は積載量に余裕が生まれる一方、軽やかな走行とは引き換えになる部分があります。

走る時間を楽しみたい人は、持ち物を絞れるかを先に考える。キャンプ場で広い寝床や家具を使いたい人は、それを運ぶ仕組みから考える。僕はこの分け方が分かりやすいと思います。車体の名前だけで正解を探すより、「何を持って、どんな一泊をしたいか」を言葉にすると、買い替えが必要かどうかも相談しやすくなります。

バッグは直接取り付ける方式と、荷台を使う方式で選ぶ

バッグ選びでは、容量を見る前に積載方法を決めましょう。車体へ直接バッグを取り付ける「バイクパッキング」は、サドル下、ハンドル周辺、フレーム内の空間を使います。荷台に取り付ける「パニアバッグ」は、車体の左右に荷物を振り分けるサイドバッグのことです。

あさひは、直接取り付ける方式について、従来のツーリング車ほどの積載性能はないものの、走行性能をあまり犠牲にしないスタイルと説明しています。一方、モンベルの特集では、前後の荷台にパニアバッグを付け、居住性を重視したキャンプ道具を運ぶ例が紹介されています。

選ぶ基準車体へ直接バッグを付ける方式荷台とパニアバッグを使う方式
旅の優先順位荷物を絞り、走りも楽しみたい寝床やキャンプ道具の余裕を重視したい
装備の考え方小さく収納できる道具を中心にする広さや使いやすさを重視した道具も候補になる
購入前の焦点サドル下やフレーム内に装着スペースがあるか車体に荷台とバッグを装着できるか
判断の分かれ目必要な道具が収まるか荷物が増えた状態での走行も受け入れられるか

購入時は、自転車を店へ持ち込み、候補のバッグを実際に当ててもらうと話が具体的になります。バイクプラスが挙げる注意点は、大型サドルバッグと後輪の間隔、フレームバッグを収める空間、ハンドルバッグとブレーキホースの干渉です。

「合計容量が足りる」ことと「自分の自転車に付く」ことは別の条件。特に小さいフレームでは、同じバッグ構成をそのまままねできない場合があります。写真の見た目だけで一式を買わず、自分の車体で使える組み合わせを決めましょう。

テント・寝袋・マットは収納サイズと寝心地を一緒に見る

テント・寝袋・マットは収納サイズと寝心地を一緒に見る

装備を選ぶとき、最初に見たいのはテント・寝袋・マットの三つです。バイクプラスも、この三つをどれだけコンパクトにできるかが、荷物の容量を減らす鍵だとしています。広げた姿だけでなく、収納した状態を見て選ぶのが自転車キャンプらしいポイントです。

テントは小ささと居住性のバランスで考えます。モンベルの特集には軽量な寝床の例がある一方、ソロでも二人用テントを選び、寝る場所の隣に荷物を置く例もあります。一人で使うから必ず一人用、と決める必要はありません。

荷物と一緒にゆっくり過ごしたいなら室内の余裕を、小さなバッグへ収めたいなら収納性を重視する選び方です。

寝袋は、同じ適応温度域でも中綿によって収納サイズが変わるとバイクプラスは説明しています。収納の小ささを比べるなら、まず使う季節に対応するもの同士で比べたいところです。

マットは、寝袋の下に敷く寝床の一部です。モンベルの選び方では、地面からの冷えを抑える断熱性と、凹凸を和らげるクッション性が役割として挙げられています。空気注入式はコンパクトさ、折り畳み式のフォームタイプは設置・撤収の手軽さやパンクの心配がないことが特徴です。

マットは厚いほど暖かい、とも限りません。モンベルは、断熱性は内部構造や素材にも左右されると説明しています。暖かさを比べるときは、数値が高いほど断熱性が高い「R値」を目安にし、季節や寝る環境に合わせます。厚みは寝心地、収納サイズは運びやすさ、と見る項目を分けると、数字の意味をつかみやすくなります。

必要容量を決めてから、道具ごとの収納場所を割り振る

バッグは何リットルあれば足りるのでしょうか。バイクプラスの案内では、春から秋の平野部での一泊で、ある程度コンパクトな用品をそろえる場合、30〜40L程度を目安としています。これは季節・場所・道具に条件の付いた目安で、すべての一泊に当てはまる必要容量ではありません。

特に寝袋や防寒着がかさばるとき、食料や水を途中で調達しにくい場所へ行くときは、荷物が増えます。数字を目標にして必要な装備を外すより、行き先に必要な物を並べ、その量に合うバッグを考える順番が自然です。

荷物が収まらないときは、まず大物の収納サイズと食事の内容を見直します。寝床を小さくまとめたうえで、椅子やテーブルを加えるか考えましょう。バイクプラスは、これらを必須とはせず、キャンプの快適さを増す道具として紹介しています。

僕なら「持っていたら便利」だけで増やさず、そこで何をして過ごしたいかで選びます。

詰め方は、使うバッグに合わせます。モンベルのサドルバッグの収納例では、ポールなど硬い物を奥に、寝袋など柔らかい物を手前にして隙間を埋め、開口部を巻いて圧縮しています。パニアバッグの例でも、道具が動いて音を立てないよう隙間なく収め、それぞれの収納先を事前に決めています。

バッグごとの配置に唯一の正解はありませんが、まず大切なのは、走行中に荷物の揺れで車体の操作を妨げないことです。

バッグの中で荷物が動かないように詰め、バッグ自体もしっかり車体に固定し、前後・左右の荷重バランスと低重心を意識しましょう。

そのうえで寝床、着替え、調理道具の収納先を決めておけば、翌朝も迷わず片付けやすくなります。最初の一泊では、持ち物の数だけでなく、帰りも同じように収納・固定できるかまで考えておきたいですね。

自転車キャンプの行き先と一泊の過ごし方を決める

初回の距離は、近さに加えて坂と買い物先で判断する

初めての行き先は、まず近場から候補を探しましょう。あさひのキャンプ記事では、自宅から約40kmのキャンプ場へ行った例が紹介されています。ただし、これはその筆者の行程であり、「初心者なら40km走れる」という基準ではありません。記事でも、手持ちの自転車で近場から体験することが勧められています。

距離の数字だけを比べると、ルートの違いが見えにくくなります。バイクプラスのロングライド案内は、平坦な道と山岳ルートでは負荷が異なるとして、上りの合計を表す「獲得標高」も見るよう説明しています。キャンプ場を比べるときも、何km離れているかと、どれだけ上るかをセットで眺めると候補を整理できます。

もう一つ、地図に入れておきたいのが買い物先です。バイクプラスは、コンビニや自販機の位置だけでなく、営業日・営業時間も押さえるよう案内しています。「食料は現地で買う」という計画なら、実際に立ち寄れる店まで含めて行き先を決めると、持ち物の量も考えやすくなります。

僕なら、候補ごとに「自宅からの距離」「坂の多さ」「食料を買う場所」を並べます。遠くの景色が魅力的でも、まず近場で一泊してみたいのか、サイクリングそのものを長く楽しみたいのかで選び方は変わります。初回から他人の走行距離を目標にする必要はありません。

キャンプ場は営業情報と、自転車を使える範囲を分けて見る

キャンプ場は営業情報と、自転車を使える範囲を分けて見る

キャンプ場探しは、「自転車で行った人がいる」という紹介だけで決めず、施設の公式案内まで見て候補を絞りましょう。過去の利用例があっても、今も同じように利用できるとは限りません。

例えば、2026年9月時点の若洲の公式案内では、江東区立若洲公園はリニューアル工事に伴い、キャンプ場・貸し自転車・多目的広場・駐車場の一部を利用中止としています。案内されている期間は2025年4月から2027年3月までの予定です。以前のキャンプ記事が見つかっても、現在の宿泊先には選べません。

また、「自転車を持ち込める」という説明は、その対象範囲まで読みましょう。無印良品の公式FAQでは、嬬恋のサイクリングコースは砂利道で、自転車の持ち込みが可能、利用時はヘルメット必須としています。

一方、各キャンプ場のMTBコースは、整備の行き届いた24インチ以上のMTBが対象で、MTB以外は進入できず、こちらもヘルメット必須です。

このFAQはコース利用の条件です。これだけで、宿泊するテントの横までロードバイクを持ち込めるとは判断できません。同じ施設でも「コースで走ること」と「宿泊場所へ持ち込むこと」を分けて考える必要があります。

予約候補が決まったら、「自転車で来場し、持参したテントで一泊したい」と伝え、宿泊予約の条件と、場内での移動・保管場所をまとめて尋ねると意図が伝わります。自転車という言葉が載っているだけで判断せず、自分がしたい利用に答える案内を探すのがポイントです。

食事は外食・買い出し・湯沸かしから選び、火器を絞る

キャンプだからといって、すべての食事を一から作る必要はありません。あさひは、コンビニや飲食店を利用すれば荷物を軽減できると紹介しています。まず「外で何を食べたいか」を決め、そのために必要な道具だけを選ぶと整理しやすくなります。

例えば、温かい飲み物や湯を使う食事を楽しみたいなら、湯沸かし中心の構成が候補です。モンベルの軽量スタイルでも、沸かした湯でカップ麺やコーヒーを楽しむ例が紹介されています。料理そのものを楽しみたいなら調理器具を増やす余地がありますが、初回は外食や購入した食事を組み合わせる考え方もあります。

火器を持つ場合は、小ささだけで選ばず、対応する燃料と調理器具をそろえます。NITEの注意喚起では、本体や取扱説明書で指定された燃料容器を使うこと、使用できる調理器具のサイズを守ること、使用前に機器を点検し、ガス漏れがある機器は使わないことを案内しています。

また、ガスこんろなどの燃焼器具は、必ず屋外の風通しのよい場所で使用します。テント内など換気が不十分な場所では、一酸化炭素中毒のおそれがあります。雨を避けたいからとテント内へ移して調理する計画にはしません。ガスカートリッジを炎天下の河原など高温になる場所に放置することも避けます。

料理の手間を減らしたい人は、まず食事の方法を簡単にする。火を使いたい人は、対応する道具と使用場所まで準備する。この順番なら、バーナーを買ってから持ち物が増え続けるのを防ぎやすくなります。

出発前は雨具・明かり・修理用品まで一式で整える

出発前は雨具・明かり・修理用品まで一式で整える

寝床が収まったら、走行中と夜の装備を加えます。モンベルの自転車キャンプ例には、雨具、修理キット、充電用品、ヘッドランプ、救護キットも含まれています。テントと寝袋を積んで終わりにせず、こうした小物の収納場所も確保しましょう。

服装は、走っている時間だけで考えないことが大切です。モンベルはロングツーリングの案内で、乾いた着替えと雨具を用意し、夜間や朝方の冷えには重ね着で調整できるようにすることを勧めています。

昼間に暑く感じても、キャンプ場で過ごす時間まで同じ服装でよいとは決めず、着替え・雨具・保温する衣類を別々の役割として考えます。

明かりも、キャンプ用と自転車用で役割が違います。モンベルは、フロントライトには前方を照らし、周囲へ存在を知らせる役割があり、テールライトには後方からの視認性を高める役割があると説明しています。自転車のライトとヘルメットを整えたうえで、キャンプ中の明かりは利用環境に合わせて考えましょう。

モンベルの野営向け装備例ではヘッドランプを必携としています。一方、バイクプラスは、照明のあるキャンプ場でトイレへの移動や短い探し物をする程度なら、自転車用LEDライトで代用できると説明しています。足元の凹凸が見にくい場所では、両手があくヘッドランプがあると安心です。

ライトの電源方式も準備に関わります。モンベルの案内では、電池式は電池交換で再び使え、充電式は内蔵バッテリーを繰り返し充電して使う方式です。

自分のライトがどちらかを把握して、予備電池や充電用品を持ち物へ組み込みましょう。

修理用品については、モンベルの装備例にも修理キットが含まれますが、必要な中身は自分の自転車に合わせて相談したい部分です。モンベルのサービスピット紹介では、整備やカスタムの相談に加え、メンテナンス講習会を行う店舗も案内されています。

扱い方が分からない道具を増やす前に、自分の車体に必要な備えと使い方を相談すると、準備を具体的に進められます。

自転車キャンプの始め方まとめ

この記事のまとめです。

  • 初回は手持ちのクロスバイクやロードバイクを候補にし、近場での体験から考える。
  • 走りを重視するなら装備を絞り、キャンプの快適さを重視するなら積載方法から考える。
  • バッグは容量だけでなく、後輪との間隔やフレームサイズなど、自分の車体への適合で選ぶ。
  • テント・寝袋・マットは、使う環境に合うものの中から収納サイズと寝心地を比べる。
  • 30〜40Lは、春〜秋の平野部で一泊し、コンパクトな用品をそろえる場合の容量目安。
  • 荷物とバッグの揺れを抑える固定、前後・左右の荷重バランスと低重心を意識する。そのうえで収納先を決めておくと、翌朝も迷わず片付けやすい。
  • 行き先は距離に加え、坂の多さと、実際に利用できる買い物先で比べる。
  • 施設の営業情報を読み、自転車コースの利用条件と宿泊場所への持ち込み条件を分ける。
  • 食事は外食や買い出しも活用できる。燃焼器具を使う場合は対応燃料・器具を守り、屋外の風通しのよい場所で使う。
  • 雨具・着替え・保温着に加え、自転車用ライトと修理用品を準備する。キャンプ中の明かりは環境に合わせ、野営ではヘッドランプを携行し、照明のあるキャンプ場で短い移動や探し物をする程度なら自転車用LEDライトの代用も考える。
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この記事を書いた人

はじめまして、チャリネコです。
子どもから大人まで、きっと誰もが一度は乗ったことのある自転車。
とても身近な乗り物だけど、実は知らないことっていっぱいありませんか?

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